街角のみどり『ままま勝川 植栽管理』

ままま勝川で、おもてなしの庭づくり

 「ままま勝川」はJR勝川駅から徒歩5分程の所に位置する、カフェなどが入る中庭式の建物で、「勝川がますます楽しいまちに変わっていく!!」ことを目的に、勝川エリア・アセット・マネジメント株式会社がまちづくり活動と一体的に運営されている施設です。TONZAKOデザインが施設の設計を担当し、竣工後は施設の運営や植栽管理のお手伝いをさせて頂いております。

 店舗を訪れる方だけでなく、勝川という場所に関わる多くの方々が、「ままま勝川」の前を通る際に、少し目で楽しんでいっていただける、そんなおもてなしになるような庭を目指しています。

勝川と一緒に育つ庭

 2019年4月に植え付けた、「ままま勝川」内の植栽の管理を行っております。

 植え付けから1年が経過して、淘汰されたものもあり、大きく成長したものもありで、だんだん全体的に落ち着きを見せてきました。2019年の植栽後と2020年5月の時点での正面南側部分の植栽帯で見比べてみてください。全体的にボリュームが出てきています。イベントなど短期的な植栽の場合には、植栽後の状態が見栄えするように、密度を高く植えたりしますが、一般的な花壇や植栽帯の場合、植物たちがどの程度大きく育つのか、完成から時間が経った状態を想像しながら植え付けを進めます。

 去年植えたワイルドストロベリー、イチゴが実っています。カンパニュラの花も咲いています。ままま勝川は中庭の形状になっているため、光が辺りにくく、花が咲きづらいかと思っていたのですが、道路側など日が入るところでは開花することがわかってきました。

緑づくりもまちづくり?

 維持管理としては、元気に育っているもの、植え替えが必要なものを見極めて、切り戻しや植え替えなどの作業を進めます。また、全体のバランスを見て、より素敵に見えるよう、植物の補植や移植を行います。例えば、オリーブの下に植えていたセキショウについては、石を敷き詰めてある植栽帯に移植しました。

 セキショウが育ってくると、岩の間に点在する雰囲気のあるシーンになってくれると思います。

 将来像を想像しながら今の空間に手を加える。植栽づくりはまちづくりと似ているのでしょうか?作った時点で「完成」ではなく、常に変化とともに、今よりも少し良い状態を目指して手を尽くす。もしかしたらより良い姿を目指して頑張る過程こそが「完成」の姿なのかもしれません。

 これからは補植を行いつつ、勝川の町に憩いのシーンを提供できればと思います。

Written by 山田