誰が決める境界線

 NHKが嫌いという政党まで存在する世の中ですが、自分は結構というかかなりNHKが好きです。

 なぜなら祖父はNHKの職員だったのですね。

 そんなNHKの番組で欠かさず見るものは朝ドラ、大河ドラマ、紅白歌合戦です。

 前作の朝ドラ『スカーレット』は隣町の焼き物の里が舞台となり地元は結構盛り上がりました。

 そして大河ドラマは『いだてん』。

幻のオリンピック

 日本初のオリンピック選手と日本でオリンピックを開催したいという2人の男性が主人公でした。視聴率は芳しくなかったようですが、知っているようで知らなかった人たちの生き様を描いたとても面白いドラマでした。

 ドラマは1912年のストックホルム大会への初参加、そして幻と終った1940年の東京大会から、1964年の東京大会へと続きます。

 1940年大会は戦争の影響で中止となりましたが、日本ではその後3度のオリンピックが開催されました。

環境問題とオリンピック

 高度経済成長期のオリンピックは戦争からの復興や日本の発展ぶりを世界にPRするためにイケイケドンドンだったのかなーなどと想像していますが、平成に入ってからのオリンピックは環境問題と無関係ではいられなくなりました。

 自分が社会人になったのは平成になってすぐの1990年代の前半です。日本の時代背景はバブル景気が終わりを告げる時期にあたります。

 高度成長期の「公害問題」は技術によって克服されようとしていましたが、日本各地では開発から自然環境を守ろうという「自然保護問題」が話題となっていました。

 1998年に開催された長野冬季オリンピックもスキーコースの開発が大きな問題となり、会場の変更が行われました。

 少子高齢化や景気の後退も相まってか、日本では自然保護問題が大きなニュースになることは少なくなってきましたが、今度は別の問題が話題になっていきました。

 最近の夏の異常な暑さで「地球温暖化」という言葉がリアルに感じられるようになってきましたが「地球環境問題」です。

 残念ながら延期となった2020年東京オリンピックは、今度は「猛暑」という問題でマラソンの会場が札幌に変更となりました。

境界線の無い時代

 今年の冬も異常ともいえる暖冬でしたが、こうした中で新型コロナウイルスが猛威を振るい始めました。

 一地域の問題だったものが、あっという間に世界中に広がり、社会的立場や生活環境にかかわらず、誰もが平等なリスクを負うことになる今回の騒動は「地球環境問題」と似ています。人が決めた国境や県境などお構いなしに問題は広がります。

 世界から戦争は無くならないし、戦争にならなくても国どうしの諍いは日本含めて無くなりません。お隣の国ともいろいろな問題が起こります。

 そんな問題がある最中にも先方の国を訪問したり、日本を訪問された時におもてなしをすることがあります。

 「タイミング悪くT社の車を買ってしまってちょっと心配…」とつぶやく韓国人の青年がいます。日本が嫌いな中国人のおじさんと麻雀卓を囲んでぼろ勝ちしてしまい、さらに関係悪化しないか心配したこともあります。

 どんな問題があっても国は違っても一人一人と付き合っていると、同じようなことに喜び、同じようなことに哀しみます。所詮同じ人間だなと思います。

 延期となった「平和の祭典」。

 来年は境界線を越えて世界中の人々と一緒に楽しみたいですね。

Written by 小森