2年ほど前に引っ越しをしました。
2階に上がる階段は、回り階段です。初めて見たときから、なんとなくイヤでした。
理由はありませんが、イヤでした。
とても狭く感じます。なんだか下りが怖いです。
でも大工さんも、カーテン屋さんも、その他大勢の人たちは
「普通ですよ」
「ゆるやかですよ」
「十分広いですよ」
と言います。
階段を直してもらうと、50万円~。諦めました。
そうか、私の感覚が普通じゃないんだな、と思っていたら、滑って落ちそうになりました。
私だけじゃなく、私の家族も滑って落ちそうになりました。
危ないと思って大工さんにお願いをして手すりを設置。
そうしたら・・・
いままであった苦手な気持ちと怖いと思う恐怖心が消えました。
階段は以前より有効幅が10㎝弱狭くなっています。でも、前より広く感じます。
家族はみんな、下るときは最初の2段目くらいまで手すりを握っています。
祖母のお話
私の祖母がまだ健在のころ、一緒に外出しようと門の外に出ようとしたとき
祖母が「怖い」と言いました。
ほんの10㎝もない段に、斜めに段差解消の石があったのですが、「怖い」のです。
家の玄関の上り下りはできるのに、と私は少しイラっとしました。
考えてみたら、玄関には昇降用の手すりがありました。
門の周りにはありません。
私は祖母が好きでしたが「怖い」と言う祖母にイラっとした自分も嫌だったことを思い出します。
もしあの場面に、すっと握れる手すりがあったらなと、20年以上前の出来事ですが、
今でも胸をチクっとします。
手すりがあってよかった
私の家族がアキレス腱を切断し、1カ月くらいギブス生活でした。
その後もしばらく不便な生活でした。
その時に言った言葉が
「こんなに手すりが大切だったなんて」
とても印象的な言葉でした。
私の両親(後期高齢者)宅も、年々手すりが増えています。
ついつい後回しにしてしまう、わき役てきな手すりですが、
きっと、物言わずに寄り添ってくれる大事な存在なんだと思います。
Written by N.hiroko