わかったつもり ~事業のヒントのつかみ方~

世の中には情報があふれています。
知りたいことがあればスマートフォンやパソコンで検索すれば一生かかっても読み切れないほどの情報がヒットします。

何か事業をやろうとすれば情報収集は必須ですが、便利な機能を活用すれば様々な情報を得ることができる世の中になりました。

こうした情報は先人の知恵の集まりですので、これらを参考に事業をやってみればきっと上手くいくはず……と、そうは問屋が卸しません。

こうした情報をたくさん見て分かったつもりになっていても、実際にやってみると当てが外れたり予想もしない事態が発生して、

「こんなはずではなかったのに…」

と肩を落とすこともあります。

こうしたネット上の情報に成功談やいいコトばかりが書いてあるわけではありませんが、ついつい嫌な部分は見ないふりをしたり、難しそうであればやりもせずに諦めることになります。

より役に立つ情報を集めるためには、安易な方法ではなく、やはり自分の身体や頭を使う必要があります。

まずは本を読むこと。これもネットなどで買うのではなく、できれば本屋や図書館に行ってパラパラとめくりながら予期せぬ本との出会いにも期待して、関連しそうな本を何冊か読むことをお勧めします。

次は気になる場所や施設を自分の目で見て確かめること。
これもただ漠然と見るのではなく、建物や空間だけでなく、お客さんやスタッフの様子も観察します。

これまでに数多くの施設をいろいろな方たちと視察に行きましたが、同じ場所を見ていても人によって見えているものが全く異なったりします。できれば複数のメンバーで見に行って、それぞれが感じたことを話し合うことが大切になります。

そして、最後に人に話を聞くこと。

単なる知識と実践に基づく知恵には雲泥の差があります。

視察に行くようなレベルの場所をつくり上げた人には、ネットにある情報や本に書かれていることだけではない、数多くの修羅場をくぐってきた経験があります。こうした経験や実践に基づく知恵には数多くのヒントが隠されています。

こうした方たちのお話を直接聞くこと。

事業のヒントをつかむために、デジタルな情報は大切です。でもそれをアナログで確かめる努力をすることがもっと大切です。

Written by 小森